【ルシル】 「あぁっ、……いッ……やめ……」 自分でさえ触れたことのない場所に、指先が侵入してくる。 二本の長い指。目にしているわけでもないのに、節の固さまで鮮明に感じ取れる。 油分が強い軟膏を潤滑剤にして、さしたる抵抗もなく奥へ奥へと差し込まれた。痛みは無いが、異物感が酷い。 【ロベリア】 「狭いな」 淡々として無機質な感想に、反応する余裕は無かった。 根元まで押し込まれた指を引き抜かれ、またすぐに奥まで突き込まれる。ぷちゅりと音を立てた潤滑剤に背筋が戦慄き、闇雲に泣き出したくなった。 中に押し込まれたままの指がぐるりと円を描くように回される。拡げられているのだと意識すると、その先の行為を嫌でも理解出来てしまう。 逃げ出したい。だが俺の身体は思ったように動かず、ロベリアに触れられている個所に神経が集中してしまう。 【ルシル】 「ふあ……あっ、あ、あ、ンンッ」 【ロベリア】 「くく……いい声が出るじゃないか」 |
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潤滑剤をもう一度掬い上げ、穴の奥深くまでしつこく塗布される。 やがて指の抜き差しが滑らかになって、さらにもう一本を添えて含まされた。 不快感とも快楽とも言い切れない感覚にシーツを蹴るが、身をよじればよじるほど、埋め込まれた指を強く意識してしまう。 【ルシル】 「っ、ぁ、はぁ……はぁ…、ぁ……、あっ、う……」 次に掬い上げた缶の中身は、くつろげた自身の肉茎に塗りつけていた。 ロベリアは何度か擦り上げ、自身をしっかりと勃たせている。 脚を開かされると、慣れない方向に押しやられた股関節がギシリと音を立てたような錯覚がした。 何をされるかなんて理解していたつもりでも、先端を押しつけられた瞬間、恐怖が意識の全てを奪ってゆく。 |
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【ルシル】 「ゃ、め……待っ――……ッ!」 【ロベリア】 「力を抜け」 ――――熱い。重い。苦しい。怖い。 指とは比べものにならない大きさのそれは、半分ほど押し込まれたところで動きを止める。 鈍いけれど、確かな痛みも感じた。こんな用途に使うようにできていないのだから当然だ。 【ロベリア】 「……少しは協力しろ。痛い思いをするのは自分だぞ」 【ルシル】 「っう゛……っあ、あ、無理だ…ッ……」 首を横に振ってもうやめてくれと訴える。 しかし当然許されるわけもなく、一度ギリギリまで引き抜かれた熱が、再度勢いを付けて突き挿れられる。 【ルシル】 「!! っあ――、あっ、あっ、あぁッ! ぃ、あぁっ、あああっ!!」 引き抜かれ、押し込まれる。何度もくり返されるうちに、侵入する深さが増していく。 潤滑剤が一際大きな音を立てた瞬間、ついに根元まで進入され、隙間無く繋がった。 内側をぎっちりと満たされ、声を上げ続けている口からは唾液が零れる。 浅い呼吸が苦しくてロベリアの身体に縋った。眼前の悪魔は満足げに口角を上げて笑う。 見下ろしてくる瞳には、捕食者の残酷な愉悦が滲んでいた。 |
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//悪魔ルートより一部抜粋 |
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